HPVワクチンとは、一度はみなさんが聞いたことがあるのではないでしょうか?テレビで一時期ニュースとなり、悪いイメージを持たれた方も多くいらっしゃるかと思います。現在のHPVワクチンの考え方等解説していきますね。
ヒトパピローマウイルス(HPV)は、皮膚や粘膜に感染するDNAウイルスで、100種類以上の異なる型が存在します。これらの型の中には、無害なものからがんを引き起こす可能性のあるものまで様々です。特定のHPV型は、子宮頸がんの主な原因となることで知られています。
HPVは主に性的接触を通じて伝播し、世界で最も一般的な性感染症の一つです。多くの感染者にとって、HPVは無症状であり、自然にクリアされますが、一部の型は子宮頸がんや他のがん(肛門がん、陰茎がん、喉のがん等)のリスクを高めます。また、いくつかの型は尖圭コンジローマなどの良性の皮膚変化を引き起こします。
HPVは、子宮頸がんを含む複数のがんの種類と関連があります。特に高リスク型HPVは、子宮頸がんの主要な原因とされています。HPVはまた、肛門がん、陰茎がん、および口腔および咽頭がんとも関連しています。
多くのHPV感染は無症状であり、体内で自然に治癒されますが、感染が持続すると、がんや尖圭コンジローマなどの症状を引き起こす可能性があります。HPVによる病変は、定期的なスクリーニング検査(たとえば、子宮頸がん検診)によって早期に発見することが可能です。高リスクHPV感染の診断には、HPV DNAテストが利用されることもあります。
HPV予防には、2価、4価、および9価のワクチンが利用可能です。これらのワクチンは、HPVによるがんおよび病変を予防することを目的としていますが、カバーするHPV型には違いがあります。2価ワクチンは主に子宮頸がんの原因となるHPV型を、4価と9価ワクチンはそれに加えて他の型もカバーし、より広範な保護を提供します。
HPVワクチンの効果を最大化するため、接種は性的活動開始前の若年層に推奨されます。多くの国では、11歳から12歳の子どもへの接種を推奨しており、未接種の場合は成人になってからでも追加接種が可能です。接種対象年齢や対象者は国によって異なるため、地域の公衆衛生ガイドラインを確認することが重要です。
世界中の多数の研究は、HPVワクチンが子宮頸がんを含むHPV関連がんのリスクを劇的に減少させることを示しています。特に、若年層の接種がその後のがん発生率の低下に大きく寄与していることが確認されています。
HPVワクチンは広範な臨床試験と実用化を経て、非常に高い安全性が確認されています。副反応は一般的に軽微で、接
種部位の痛みや腫れ、発熱などが報告されていますが、重大な健康問題につながる副作用は稀です。
HPVワクチン接種後、接種部位の軽度な痛みや腫れが見られることがありますが、これは一般的に数日で改善します。接種後も、体調変化に注意し、異常を感じたら医療機関に相談することが重要です。また、ワクチンはHPV関連のすべ
ての病状を防ぐわけではないため、定期的な健康診断やスクリーニングを継続することが勧められます。
HPVワクチン接種者でも、子宮頸がんスクリーニング(子宮頸がん検診など)は継続することが非常に重要です。ワクチンは特定のHPV型に対して保護を提供しますが、すべての型を防ぐわけではありません。定期的な検診により、ワクチンでカバーされない型による感染や異常が早期に発見される可能性があります。
HPV予防には、ワクチン接種が効果的な手段ですが、定期的な健康診断やスクリーニングの継続も重要です。HPVワクチンは多くのHPV型に対して保護を提供し、子宮頸がんなどのリスクを大幅に減少させます。しかし、すべてのHPV型を防ぐわけではないため、避妊具などの組み合わせが最大の効果を発揮します。
※接種には市役所、区役所から届くクーポン券が必要となります。また公費の適応外の方は自費の接種となり1回毎にワクチンの費用をご用意していただく必要があります。
当院でのワクチン接種をご希望の方は、あらかじめ電話でのご予約をお願いいたします。
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